王子神社の悲しい火災【2015年】

王子神社の悲しい火災【2015年】

2015年11月3日

2016年1月の現状

平成28(2016)年の元旦祭初詣は、境内に作られた仮社殿にて執り行われました。

王子神社御社殿の再建にむけて

2016年1月吉日に地域に貼りだされた、王子神社からのお知らせを書き起こしました。

※一部句読点を省略し、個人情報に関わる部分は伏せてあります

謹啓

 大寒の候、各位におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。また、平素より当神社の護持運営につきましては、格段のご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、当神社におきましては、昨年10月12日早暁、不慮の火災に遭い、御社殿(本殿、幣殿、拝殿)を焼失いたしました。さらに、獅子頭二頭、子供神輿一基、大太鼓、各種の祭具など永年にわたり守り続けてきた伝統ある貴重な財産を失うという事態にいたりました。火災の原因は不審火(警察は、「ほぼ、放火」と判断)によるものであり、極めて悪質、許し難い行為であり、関係者一同、無念の極みでありました。

 今回焼失した御社殿は昭和50年に、地元、馬橋の宮大工として名を馳せた■■氏(故人)、■■氏親子の設計、施工による建物でした。木造(台湾檜、けやきを使用)、銅板葺きの屋根、そして「流造り(ながれづくり)」(注)と呼ばれる建築様式の御社殿であり、本殿には御神体がお鎮まりになられておりました(御神体は、その御神威により焼失を免れました)。そして、この御社殿は昭和50年の御遷宮依頼40年の永きにわたり、氏子の皆様方、地域の皆様方の心のよりどころとして、また、ふるさと馬橋の安寧と繁栄をお守り下さる大切な氏神様のお社(やしろ)として親しまれてまいりました。

 昨年10月の火災発生の際は、鎮火後、直ちに神社役員会を招集し、事後の対応につき話し合い、その後数回の協議を重ねた結果、御社殿を再建し、御神体をお祀りすることが急務であることを決議いたしました。同時に、防火、防犯対策として警備会社によるセキュリティシステムの導入、神社役員による境内のパトロールの実施、また、神社内での全面禁煙措置の実施も開始いたしました。

 今後、再建に当たっては、様々な困難、課題が予想されますが、王子神社の御神徳のもと、役員一同心を一にし、御社殿再建の事業の完遂に向け、全力で取り組む所存であります。

 再建の計画が整い次第、氏子崇敬者の皆様方にはご報告をさせていただく予定でおります。

 年頭にあたり、御社殿再建にむけての思いを申し述べさせていただきました。氏子崇敬者各位におかれましては、今後とも当神社への温かいご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

謹白

(注)「流造り」…伊勢神宮に代表される「神明造り」から発達した神社の建築様式で、屋根は前のほうが長くのびて、向拝(正面のひさし)をおおい、母屋の屋根と向拝の屋根が一連のなだらかな曲線を描くように作ってあるのが特色。日本の神社の約7割はこの「流造り」であるといわれる。

文面からも読み取れますが、神社関係者にとっては本当に無念なことだと思います。
綺麗に整備され、地域の方々に大切にされてきた王子神社がこのような火災に遭ってしまったのは大変残念なことでしたが、再建に向けて動き出しているということでひと安心しました。

また、全国の神社やお寺、その他歴史的価値のある建築物もいつ王子神社のように不幸に遭うかわかりませんので、このことを無駄にせず教訓にして対策を練る必要がありますね。

一般の参拝者も、そのようなことを頭に入れてお参りすることが重要だと思いました。